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Asian Society of International LawのRegional Conference 2016: International Law and a Dynamic Asia (ベトナム、ハノイ)で報告発表 2016年6月14−15日
2016年6月14日・15日の2日間に渡り、ベトナム・ハノイで、Asian Society of International LawのRegional Conference 2016: International Law and a Dynamic Asiaが開催された。本センターからは佐藤安信教授(センター長)および伊藤慎也氏(同研究補佐)が出席し、2名とも初日のPanel 2B:Human Rights (International and Regional Perspectives)において研究報告を行った。
Network Governance for Human Security: A New Paradigm for Business and Human Rightsと題する佐藤教授の発表は、近年議論が活発化しているビジネスと人権(企業の人権尊重責任)につき、カンボジアの土地問題を事例に、現地調査の結果を踏まえ、論じたものである。人権に加え、人間の安全保障やネットワーク・ガバナンスといった概念を議論に導入する必要性に関して、考察がなされた。
一方、伊藤氏の発表は、Retrieving the Voice of Silent Majority: The Expansion of “Human” Horizon through Justiciability on Economic, Social and Cultural Rights in International Lawと題し、国際人権法における社会権の司法審査適合性をテーマとした。この論点につき、普遍的人権条約たる社会権規約と地域的人権条約との相互作用に着目して検討を行うと共に、社会権に関する解釈が国家中心から人間中心へと捉え直されつつあることを指摘した。
フロアとの質疑応答も盛んに行われ、パネル終了後も多数の参加者との間で活発に意見交換がなされた。本センターの研究活動に対して、極めて有意義な研究大会であった。